top of page

コンクリートaiサロン|2025年1月



橋梁付属物「伸縮装置」に思うこと。


   國吉 慎一


 

 私ごとですが、ある総合病院に於きまして、変形性股関節症と診断され10数年近くになります。

 中学・高校時代とスポーツを通して無理してきた代償または、日頃の運動の仕方が悪いのか、ここ3年位ですが30年以上続けてきましたジョギング、山登り等を行うと股関節が痛くて、とても継続することが難しい状況になってきております。

 人工股関節に交換するという選択肢もありますが、中々踏み込めません。

 現在は、股関節周りに少しでも筋肉をつけようと、毎朝6時25分からのテレビ体操そして休日でのプール通いと、股関節に比較的負担のかからない運動を行うことを心がけております。

 話は変わりますが、道路橋部材の付属物に「伸縮装置」という通行車両や種々の衝撃などの変形を吸収・緩和する必要不可欠な部材装置とし、骨と骨の関節・クッションの役割と同様と考えても良いと思いたい部分があります。

 過日、受注しております橋梁点検の打合せの際に、既設の伸縮装置(過年度伸縮装置交換済み)の異常及び排水機能に問題はないか等、しっかりと点検してくださいとの指示を受けました。

 橋梁用伸縮装置は、橋梁の種々の変位・変形に対して吸収し平滑に行うことが出来るように、橋台(橋脚)と床版の接続部に遊間を設け、どのような時でも車両が橋梁を安全に通過できるように取り付けるものと思います。

 その要求性能は高く、伸縮追従性・耐荷重性・走行性・止水性・耐久性・耐震性・経済性等に優れた伸縮装置が求められおります。

 しかし伸縮装置に関しましては、「橋梁付属物」という考えが強い(自分自身だけかもしれない)のか、伸縮装置取替工の設計・施工に於きまして、橋梁本体等と比較した場合、あまり気を使ってはいなかったのではないかと考えることもあります。

(特に伸縮装置補修取替施工に於きましては、交通開放時間との戦いもあって…。)

 伸縮装置(裏込コンクリート含め)は、橋梁舗装面と同様に直接車両等の輪荷重を受け過酷な使用環境下に置かれていることそして、桁端部の漏水等により本体構造物等に重大な損傷を発生させている事例は沢山あるものと考えます。

 今後とも橋梁補修設計・施工に携わる者として、その橋に最も適合した「伸縮装置の選定」と「入念な施工」を心がけまた、他の橋梁付属物の重要性に対しても真摯に受け止め、既設橋梁全体の長寿命化や延命化を図って参りたいと考えます。

「たかが伸縮」、「されど伸縮」。

以上

最新記事

すべて表示

第24回技術講習会・MCD10周年記念見学会の開催報告

標記の技術講習会(見学会)を、2024年11月に無事開催いたしました。 開催報告やは「 会員専用ページ 」からダウンロードいただけます。 会員の皆様には、以前のメールにてお知らせのパスワードルールをご確認いただいてアクセスください。ご不明の場合には事務局(...

Comments


bottom of page